【ハンターハンター】キメラアント編がなぜこんなに面白いのか感想・考察

【ハンターハンター】キメラアント編がなぜこんなに面白いのか感想・考察

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ハンターハンターのネタバレ考察記事です。

漫画史に残る名エピソード「キメラアント編」がとにかく面白すぎるので、なぜこんなに面白いのか、まとめてみました

アルパカ

ネタバレありなので、ご注意ください。

ハンターハンターキメラアント編の考察「メルエムとコムギのエピソードが泣ける」

もうね、メルエムとコムギの「最期」が最高ですよね。

この結末によって、傑作が大傑作にクラスチェンジしました。

 

まさかハンターハンターで泣く日が来るとは思わなかったです。

再読するほど、「あ、そういう意味か」という理解ポイントが増えて、感動が増します。

 

メルエムの特徴まとめ

メルエムの特徴をまとめます。

  1. 蟻の王として、種のために生きる役割
  2. 圧倒的であるがゆえ、共存する者がいなく、孤独
  3. 生物として最強
  4. 母の愛を知らずに育つ ※母が名付けた自身の名前も知らない
  5. 天命は退屈と断ずる人生だが、「コムギとの最後の瞬間のために生きてきた」という思いにたどり着く

 

コムギの特徴まとめ

コムギの特徴をまとめます。

  1. 家族のために生きる役割 ※「わたくし」がない
  2. 軍儀のチャンピオンだが、周囲から愛されず、孤独
  3. 生物として脆弱
  4. 自身の子供のメタファの「狐狐狸固」を二回殺す = 母の愛を与えて育てられなかった ※名前はコムギが名付けた
  5. 対局の中で、王と二人で「狐狐狸固」を生き返らせる。「この瞬間のために生きてきた」という思いにたどり着く

アルパカ

メルエムと対比できますね

 

メルエムとコムギ、二人の物語

少年漫画の文脈からいうと、「強い」「弱い」という観点では、真逆な二人。

その実、自分のためには生きられず、愛に飢えて孤独であるという点では同じでした。

 

ゼノのドラゴンダイブを受けて、瀕死になったコムギをメルエムは抱きかかえます。

それと対比するように、死ぬ直前のメルエムをコムギは抱きかかえます。

 

互いが互いに対しての慈愛ですね。

アルパカ

これ再読した時に気づいて、感動度が2倍になりました。

 

また、お互い孤独だった2人が「同等の存在」になった瞬間も感動です。

  • 誰からも「様」づけで、畏怖されたメルエム
  • 「おやすみなさい、メルエム」とその名を呼んだコムギ

アルパカ

部下からの畏敬しか知らないメルエムが、死ぬ直前に愛を受け取りました。

 

コムギとメルエムの最後の戦い。

コムギは以前、2回も自らの手で子供「狐狐狸固」を亡き者にしています。

その「狐狐狸固」を蘇らせ(活路を見出し)、メルエムに勝利します。

どちらが勝ったかは意味がありません。

二人で「狐狐狸固」という子供を生かした、生まれ変わらせたと考えられます。

 

子供に愛を与えられなかったことを悔いていたコムギ。

メルエムと出会うことによって、狐狐狸固へ、そしてメルエムへの愛を与える存在になれたのです。

 

最後に「コムギ、いるか?」と何度も問うのも、感動的。

というのも、メルエムの口癖は「二度言わすな」でしたからね。

無意味な問答を嫌い、一方通行の「命令」でのコミュニケーションだけでした。

そんなメルエムが最後に、対等の立場のコムギに対して、感情的な繋がりを求める。

アルパカ

最高のエンディングでした。

ハンターハンターキメラアント編が面白いのは「主人公が脇役になる」から

主人公のゴンが脇役になります(=ボスを倒す役目じゃない)

これは、漫画史上無かった展開では?

主人公がラスボスにトドメを与えないことはあったにせよ、ラスボスと戦わないという展開はありえませんよね。

 

普通の少年漫画の展開

普通の少年漫画の流れは以下の通り

  1. 主人公がボスに実力差で負ける
  2. 修行する
  3. 大切なものに気づく
  4. ギリギリの接戦だが、最後の一押し(精神力)でボスに勝つ

キメラアント編では、ネフェルピトーから退散(=実力差で負ける)後に、「2.修行する」まではやりました。

 

普通だと、ボス(今回だとメルエム)と戦えるくらいの強さを、以下のどちらかの方法で得ます。

  • 何かしらの「修行」
  • 「知恵(工夫)」による明確な「論理展開」

 

キメラアント編の異常な展開

ところがハンターハンターは違う。

キメラアント編の最後、ゴンは「もう念能力を使えなくなってもいい」という覚悟・制約により、チートな強さを一瞬で得ます。

アルパカ

ハッキリ言ってキメラアント編は異常な展開

 

漫画を読み返すとわかるのですが、ゴンがもともと持っていた目の輝き(黒背景に白い丸)は、ある時点から無くなっています。

そして、このチートな強さを得る展開(ゴンさん化)。

どう考えても「ダークヒーロー」的です。

王道ではなく邪道な主人公になってます。

 

何よりもスゴいのは「4.ギリギリの接戦だが、最後の一押し(精神力)でボスに勝つ」という定石を完全無視!

「余裕で勝ちます。しかも相手はボスじゃない」という展開

誰も「普通、ゴン(さん)はメルエムと戦うでしょ!!」と思ったはず。

 

まさかのメルエム無視の「ゴン、カイト、ネフェルピトー」の3者の話への着地。

もはや、本筋(人類の危機)とは関係ない、サプエピソードです。

アルパカ

信じられない。

 

更に言うとジャンプ漫画としてはあまりない「敵を殺してしまう」展開です。

キメラアント編以前は、ゴンは動物と仲良くなり、どんな敵も許してきました。

直前の、グリードアイランド編のラストでは、瀕死のゲンスルーを救いましたよね。

……キメラアント編では、完全な闇落ちです。

 

これは「主人公」としての役割終了(退場)させるため、という意味が大きいのかなと。
※キルアも、選挙編で、あっさり退場しました。

 

ちなみに、王位継承編では「クラピカ」が主人公(読者目線)です。

さらにその後の、暗黒大陸上陸後は「ジン」が「パリストン」とバディを組み、この2人の視点による物語になるでしょう。

どう考えても、ジン=ゴン、パリストン=キルアです。

 

そんな感じで、読者が予想しない展開が面白すぎます。

アルパカ

いくら休載していても読むのを辞められませんw

ハンターハンターキメラアント編の感想「幻影旅団の能力大公開。揺るがぬブランド」

幻影旅団が流星街出身ということは、ヨークシンの中盤で明かされましたね。

その流星街を舞台にして、幻影旅団が大暴れします。

  • 「幻影旅団つえー」というカタルシス
  • 「こいつらこんな能力持っていたのか」という念能力お披露目会

 の2つの楽しみがあります。

アルパカ

ハッキリ言ってファンサービスですねw

 

幻影旅団にとって兵隊長クラスは余裕

兵隊長クラスの蟻と戦ったのは、フィンクス、ボノレノフ、シャルナーク、シズク、カルトでした。

「漫画の演出上」少しだけ苦戦しましたが、ほぼ能力を出し切らずに圧勝しています。

 

カイトもやられた、ゴンとキルアも太刀打ちできない、キメラアントって強すぎるのでは??

…と思わせておきながらの「幻影旅団つえー」という展開。

この漫画において各エピソードで必ず幻影旅団は出てくる重要なキャラたちです。

しっかり強い姿を見せているんですね。

 

ポイントは、彼らは、他のキャラと違って、成長しない=すでに限界レベルに到達していること。

圧勝するくらいのバランスでちょうど良かったのでしょう。

アルパカ

能力をそれぞれ見せてくれたのは、1ファンとしては「ありがとうございます!」という気持ちw

 

師団長クラスのザザンも余裕

フェイタンが師団長クラスのザザンを、余裕で倒していました。

防御力こそ高いものの、能力(ライジングサン)を使って、一瞬です。

旅団メンバも「本調子じゃ無い」と言っていました。

 

ただ、カルトは「旅団は強い。自分は圧倒的格下だ」と延々と語っています。

これはどういう意図か?

アルパカ

バランス調整というか、太鼓持ちというか…w

 

こんな感じだと思います。

「カイト死亡したし、蟻って強すぎるんじゃね」

「幻影旅団圧勝。あれ、やっぱり蟻は弱い?」

「いやいや、幻影旅団が異常なだけ。蟻は強いよ(カルトを通じた冨樫先生の声)」

という流れです。

まったく本編には関係ない「ファンサービスの幻影旅団編」で、「キメラアント弱いんじゃね?」と麻痺しそうになる読者の感覚をもとに戻す効果があったように思います。

 

ヒソカはどれくらい強いのか【おまけ】

一時期ネットで「ヒソカは護衛軍レベルなら余裕」という話が出回りました。

※冨樫インタビューのソースがいくら探しても見つからないので、真偽は不明

 

ヒソカは幻影旅団のトップクラスの強さです。

フェイタンが師団長に勝ったことを考えると、師団長よりは強いでしょう。

ただ、護衛軍レベルとなるとなんともわからないですね。

 

まとめ:ハンターハンター「キメラアント編」は最高

他にも、色々と語りたいことはあります。

  • 幽遊白書の歴史。インフレ化を避けた
  • 善悪の対比。人間の悪意。
  • ゴンとキルアの関係がすれ違った理由
  • 光と闇の比喩
  • 漫画「寄生獣」の影響

昨夜からキメラアント編を読んで、止まらなくなってしまい、そのまま記事を書いてしまいました。ハンターハンターは最高に面白い。

 

追記:最近のハンターハンターが面白すぎるので、各話ごとに考察と解説記事を書きました。

6 COMMENTS

匿名

長年ハンターハンター研究家で考察家ですが考察サイト見てるなかで一番共感してます!

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アルパカ

ありがとうございます!
ハンターハンターのジャンプ連載(381話~390話)についても結構詳しく書いているので、良かったら見てみてください\(^o^)/

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匿名

ココリコの棋譜はゴン達が城に侵入して闘う場面とリンクしてて感心した覚えがあります

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匿名

あと「蟻」の字、虫偏を人偏に変えると「儀」になり軍儀を通して「人」を尊重するようになり「儀」を重んじるようになるのも面白いです

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極太理

キメラアント編。最も成長したのはメルエムです。産まれた時、母の生死に無関心、部下でさえ簡単に始末していたにもかかわらず、軍儀を通して自分の駒、相手でさえ敬意を評し、対応も変わっています。軍儀を通して部下や敵にまで敬意をしめすようになったのです。蟻でありながら人間すら超えたと言っても過言ではありません。今後メルエムクラスのキメラアントや念能力を持つ者を示唆しているかもしれません。つまり制約なしでクラピカ達以上の念能力所持者がキメラアントから産まれるかもしれません。後ヒソカの念能力はドッキリテクスチャーとバンジーガムですが2つもあります。視覚を惑わすものと物理的に引力と斥力を念を通じて伝達するものです。この威力、発達すると恐ろしいものになります。ナルトに出てきたペイン並みの力にまで達するとヒソカの怖さが増しますね。今後の展開に期待します。

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