ブルーピリオドは名言だらけ。面白さを解説レビュー【ネタバレ感想あり】

ブルーピリオドは名言だらけの生々しい芸術漫画【感想ネタバレあり】

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人気の美術系漫画「ブルーピリオド」について

  • グッと来たシーンの紹介
  • 気に入った名言の紹介
  • 好きなことの光と闇とか

を解説レビューします。

※ややネタバレありの感想記事です

ブルーピリオドの簡単な紹介・あらすじレビュー

ブルーピリオドの簡単な紹介・あらすじはこちら

成績優秀かつスクールカースト上位の充実した毎日を送りつつ、
どこか空虚な焦燥感を感じて生きる高校生・矢口八虎(やぐち やとら)は、ある日、一枚の絵に心奪われる。
その衝撃は八虎を駆り立て、美しくも厳しい美術の世界へ身を投じていく。

美術のノウハウうんちく満載、美大を目指して青春を燃やすスポコン受験物語、八虎と仲間たちの戦いが始まる!

「スポーツ漫画の美術部版」っぽいですが、違います。

 

面白い箇所は3点です↓

  • 青春・人生の痛みが描かれる
  • 美術や絵に関する豆知識が多いので絵を知らない人も読める
  • とにかく何か動きたくなる

アルパカ

記事の後半で個人的に気に入ったシーンを中心に紹介していますね。

 

何でも出来るがやりたいことがない少年が「好き」を見つける話

ブルーピリオドは、何でも出来るが、やりたいことがない少年が主人公です。

 

ある日主人公は、自分にはやりたいことがなにもないと気づいてしまいます。

良い大学に入って、将来の安定した進路に進み、「コスパ」の高い人生を送ろうとしていた高校2年生でした。

そんな時、ふと絵に興味を持って描いてしまう。
「時間の無駄」だと葛藤しながら、その手は止まりません。

  • 「絵を趣味」とするべきという理性
  • 「絵で食べていきたい」という感情

の間で揺れ動きます。

 

美術の先生に相談し、告げられた言葉が彼の人生を大きく変えることになりました。

ブルーピリオド1巻 先生

ブルーピリオド1巻 先生

「好きなことは趣味でいい」
これは大人の発想だと思いますよ
頑張れない子は
好きなことがない子でしたよ
好きなことに人生の一番大きなウェイトを置くのって
普通のことじゃないでしょうか?

引用元:ブルーピリオド1巻

 

そして彼は、美術の道で食べていくことに挑戦します。

1年後の「東京藝術大学」の合格に向けて動き出します。

 

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ブルーピリオドの感想&考察と名言紹介(ネタバレあり)

ブルーピリオドの感想&考察と名言を紹介をします。

※物語のネタバレは無いですが、シーンのネタバレありなのでご注意ください

 

「好きなことを選ぶこと」の光と闇

ブルーピリオドは「好きなことを選ぶこと」の光と闇が色濃く出ている作品です。

手放しで才能を称賛せず、好きなことを選べば幸せだ、
…とは言わないのがこの作品の特徴です。

美大って俺入れると思います…?

わかりません!
でも好きなことをする努力家はね
最強なんですよ!

引用元:ブルーピリオド1巻

最初からしてこんな感じ。

 

主人公は「何でも出来る効率良く出来る」才能はあるのですが、圧倒的な「絵の天才」というわけではありません。

更に言うと、芸術の世界は才能だけではなく、努力が必要ということも徐々に分かってきます。

結果、「好きだから始めた絵」に対して、何度も葛藤が生じます。

ブルーピリオド3巻

ブルーピリオド3巻

好きなことをやるって
いつでも楽しいって意味じゃないよ

引用元:ブルーピリオド3巻

アルパカ

この辺りのリアリティが面白い…

 

絵を描くことを通じて「母親の気持ち」が分かった

個人的に一番泣きそうになったのは、絵を描くことを通じて「母親の気持ち」が分かったシーンです。

 

1巻1話目では、主人公の母親からは「ちゃんとした大学に行け」という圧力がかけられています。

どこにでもいる保守的な母親です。

 

しかし、物語を進めていくと

  • 父親が事業に失敗している
  • それ故、母親は主人公に「失敗」しない人生を歩んで欲しい

という気持ちだと徐々に分かってきます。

 

そして極めつけは、進路のことで対立する主人公&母親が「絵」を通じて和解するところ。

ブルーピリオド2巻 母親

ブルーピリオド2巻 母親

絵を描くことによって、物事をしっかりと観察するようになった。

それにより、今まで気づかなかった「母親の愛情」が、具体的な生活の断片として見えてくる。

アルパカ

こんなん泣いてしまうやろ…

 

表現する人なら誰もが共感する「否定の恐怖」

表現する人なら誰もが共感する「否定の恐怖」にもスゲー共感しました。

 

主人公は大学受験1次試験前に「楽しいのか?」と聞かれて

…わかんない
昔はあったんだけどね
でももうその感覚が思い出せないんだわ
楽しんでいるやつが魅力的なのはわかるよ
俺だってそうなりたいしそうなろうと頑張ったんだ
でも楽しむってさ
すげーホンキな気持ちじゃん
楽しんで作って
それ否定されたら
立てなくなりそうで怖いんだよ…!

引用元:ブルーピリオド4巻

と答えます。

 

斜に構えるのが格好良い。

そんな同調圧力と共に育った人も多いはず。

本気を表現するとそれだけで「何本気出しているの?ムキになっているの?」と言われる時代です。

 

しかし折に触れて出会う人々の発言で主人公の心は動かされていきます。

ブルーピリオド1巻

ブルーピリオド1巻

私はね
世間的な価値じゃなくて
君にとって価値のあるものが知りたいんです

引用元:ブルーピリオド1巻

でも 昔先生に言われた受け売りだけどね
あなたが青く見えるなら
りんごもうさぎの体も青くていいんだよ

引用元:ブルーピリオド1巻

 

人一番周囲の空気に敏感な主人公が「否定の恐怖」に打ち勝つ。

そんな姿を作品を通じて疑似体験が出来ました。

 

ブルーピリオドの意味は?ピカソの「青の時代」との関係は?

漫画タイトル「ブルーピリオド」の意味はなにか?

作者の山口つばささんのインタビューを見ると分かります

ピカソの青の時代ってあるじゃないですか。
それが一番わかりやすいかなと思って採ったのと、
青春時代の意味と、
あと1話が渋谷が青いみたいな話だったので、
それを掛けている感じです。

引用元:インタビュー記事

 

パブロ・ピカソの初期の画風は「青の時代(blue period)」と呼ばれていて

  • 貧しい人々や母子が題材
  • 深く暗く青い色調

という特徴の作品です。

作品1巻ではこんなカットもありました。

ブルーピリオド 青の時代

引用元:ブルーピリオド1巻

 

勝手に解釈「青春の終わり」

私の勝手な解釈としては「青春時代の終わり」という印象です。

  • ブルー = 青春時代
  • ピリオド = 終止符

 

主人公は「絵で食べていきたい」という夢を持ちます。

その気持ちを抑えきれず、

  • 学生時代の友人たちとの遊びの時間を減らし
  • 親の期待に反して美術大学に行くことを決意

という人生の選択をします。

この作品では、そんな主人公の青春時代が「終わりつつある」姿が描かれています。

アルパカ

ピカソが「青の時代」から画風を変えていったように、変化していくのかも

 

サムライブルーよりも、自分が見つけた渋谷の青さ

意図しているか分かりませんが
「サッカー(サムライブルー)ではなく、自分で身つけた渋谷の青さ」
に主人公が心惹かれるのも象徴的だなーと思いました。

青と引っ掛けて、心の変化が描かれています。

※主に1巻でのみ使われたモチーフな感じですけどね

 

ブルーピリオドの登場人物は皆「良いやつら」!

ブルーピリオドの登場人物が皆「良いやつら」です。

主人公の矢口八虎(やぐちやとら)とツルンでいるDQNグループの面々は、彼の進路を後押ししてくれます。

美術に自分をいざなってくれた森先輩や、美術部の先生も優しい。

 

女装男子の「鮎川龍二」も色々と謎があり、見ていて楽しいです。

 

しかしなんといっても「高橋世田介」という天才の存在がこの物語の鍵の一つ。

主人公の矢口は、初めて会った時にその才能に衝撃を受けました。

しかし、世田介もまた矢口を意識していることが分かります。

俺は…
基本的に他人に興味ないから
でも
俺も 矢口さん見てるとイライラするよ

引用元:ブルーピリオド3巻

「自分を超えるかもしれない才能」の存在を感じ取っていたのです。

 

実は、第1巻の出会いの時点から、世田介は矢口を意識しています。

自分の名前を告げてもいないのに、「矢口」という名前を知っていたシーンです↓

ブルーピリオド1巻

ブルーピリオド1巻

 

大学受験後もこの2人の敵対関係は続くのだと思います。

あるいは、BLとまではいかないけど、ブロマンス的なものになるのかな、と。

 

まとめ:この感動は誰のものだ。自分の感動を見つけよう

この漫画の序盤で衝撃的だったシーンがあります。

日本サッカーの試合を見て、主人公がふと感じたこの1幕。

俺の問題
そう俺の問題だ

なら一体
この感動は誰のものだ

なんでこんなに大声出してんの?
他人の努力の結果で酒飲むなよ
お前のことじゃないだろ

俺も
これは俺の感動じゃない

引用元:ブルーピリオド1巻

 

誰かの努力は、自分の感動じゃありません。

この漫画を読んで感動した後に、次にやるべきは何か?

「自分の感動」を見つけるために、一歩踏み出すこと。

そんな風に思える漫画でした。

 

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【おまけ】インタビュー記事もありました(外部リンクです)

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