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板垣巴留「BEASTARS(ビースターズ)」感想と考察レビュー。面白い理由は獣表現の裏に隠された人の本能か

板垣巴留「BEASTERS」感想。敬遠せずに読むと想像以上に面白い

板垣巴留「BEASTARS」(ビースターズ)という作品が予想以上に面白かったです。

  • 心理描写、絵の細かさ
  • 獣の設定だから描かれる人間社会
  • 殺人犯探しというミステリー

など一読して読むのを辞めかけた私ですが、しっかり読むと「面白さ」に気づきました。

 

「BEASTARS」とは?どんな作品か、あらすじ含めて紹介

「BEASTARS」(ビースターズ)は「二足歩行する動物たちが暮らす世界の話」です。

人間はいないです。

あらすじは以下の通り。

全寮制のチェリートン学園でアルパカのテムが何者かに食殺された。
肉食獣と草食獣が共存する世界で、それは最大のタブーであり、超えられない種の壁でもあって…。
ハイイロオオカミのレゴシ(17歳)と多種多様な動物たちが織りなす、激しく切ない青春群像劇!!

BEATERS

 

特徴的なのは「肉食獣」や「草食獣」が一緒に暮らしている点です。

 

ビースターズの物語(あらすじ)

ビースターズの物語のさわりだけ紹介します。

 

舞台は獣たちが暮らす学園。

ある日そこで、殺人(殺獣)事件が発生します。

草食動物(アルパカ)が、肉食動物に殺されたのです。

学園内には緊張感が走ります。

 

主人公の名前はレゴシ。

演劇部に所属する、気弱なオオカミ(肉食動物)です。

当然、彼も「仲間殺しの犯人」として疑われます。

はたして、

  • 仲間(草食動物)を食べるというタブーを犯した犯人は誰か?
  • 彼の所属する演劇部の舞台は無事にできるのか?

…みたいな展開で物語は進んでいきます。

 

類似作品はズートピア?

「ケモノ社会が舞台」な類似作品といえばズートピアですね。

こちらは、ウサギとキツネが主人公でした。

ズートピアはディズニー制作ということでライトな世界でしたが、「BEASTARS」は割とダークというかヘビーな内容と世界観です。

 

ちなみにズートピアをパクった作品ではありません。

作者は大学時代からこの作品を考えていたようですよ。

引用元:たまにてんパル

 

「BEASTARS」はマンガ大賞2018受賞。輝かしい受賞歴

「BEASTARS」の受賞歴は以下の通り。賞レース総なめ。

  • マンガ大賞2018
  • 「このマンガがすごい!2018」オトコ編で第2位
  • 第21回文化庁メディア芸術祭マンガ部門で新人賞
  • 第22回 手塚治虫文化賞 マンガ部門新生賞
  • 第42回講談社漫画賞 少年部門

 

BEASTARS」の原型は「BEAST COMPLEX」

「BEAST COMPLEX」は「BEASTARS」の原型となった作品です。

草食動物と肉食動物が共存した世界が舞台のオムニバス。

2016年に週刊少年チャンピオンで短期掲載されていました。

※先述の通り、大学時代に考えていた話らしいです

 

作者の「板垣巴留」さんは何者か?刃牙作者の娘です

作者の「板垣巴留」さんという方の基本情報はこちら。

  • 1993年生まれ
  • 東京都出身
  • 女性
  • 武蔵野美術大学映像学科卒

授賞式の様子を見るに、女性であることは確定です

 

刃牙作者の「板垣恵介」さんと親子

板垣巴留さんは、刃牙の作者の「板垣恵介」さんと親子ですよ。

スゴイのは「刃牙の作者の娘だ!」というPR方法でデビューしなかった点。

 

※もちろん、週刊少年チャンピオンという媒体で掲載することになったのは、紹介があったからだと邪推しますけどね。

 

BEASTARSの考察(ネタバレ)

板垣巴留インタビュー

板垣巴留さんのインタビューがありました。

『BEASTARS』・作者板垣巴留さんインタビュー! 「他人を簡単に批判したり冷笑したりするな!」ということを強く言いたい。

 

作者の考えが垣間見えます。

私は誰にともなく、「他人を簡単に批判したり冷笑したりするな!」ということを強く言いたいです。人間同士がコミュニケーションを取り、翻弄し合って、そこで生まれるドラマがとても大切だと思っています。これをまとめると、多様性なんだと思います

板垣 : 少年誌の連載なので、主人公を高校生に設定しました。特に、17歳は生きるうえでの葛藤や欲求、不安などが最も可視化されやすい年頃だと思います。なので、今となっては正解だったと思えます。

板垣 : むしろ少女漫画しか読んでいなかったので、自然と少女漫画的要素は濃くなっていると思います。例えば、モノローグで読者さんを作品内部に引き込んだり、サブタイトルが詩っぽかったりする部分です。

たしかに少年漫画掲載ですけど、少女漫画的というか、「多感な学生の青春」を切り取ったような側面があるマンガです。

 

作者が語る「良い物語」の条件は悪者がいないこと

作者の板垣巴留さんが語る「良い物語」の条件があります。

それは「悪者がいないこと」

引用元:たまにてんパル

 

たしかにこの作品は肉食動物と草食動物もそうですし、善と悪が入り混じっていますよね。

肉食だから悪いわけでも、草食だから良いわけでもない。

その辺りの機微こそが価値かな、と。

 

食欲と性欲が混じった獣の気持ち

BEASTARSが「ケモノ」を扱っているからこそ成り立つのが、その欲望の形です。

自然なかたちで、食欲と性欲が入り混じっていますよね。

作者もこのように語っています。

自分の世界観では性欲と食欲のない混ぜを煮込んで、人の欲望としてなんとか皿に盛り付けて、誌面で提供しているのだ。

 

私の作品は 肉食動物と草食動物の共存世界が舞台だから、その欲望の盛り付けをなんとか形にできているけど、
いずれ人を描くことになれば私は今度こそ人間のドロドロな性欲と真っ向から向き合わなくてはならなくなる。

 

”愛”というよくわからん混沌としたドロドロの感情が一滴でも注がれただけでどうしてあんなにややこしいことになるのだろう?

引用元:たまにてんパル

 

また、米津玄師さんとの対談でもそんなことが書かれていました。

私は草食獣と一緒に暮らす肉食獣に“肉を食べたい”という本能が残っていることについて「人間のみんなもそうじゃない?」と思うところがあって。人間は草食と肉食みたいに、男と女っていう壁を乗り越えようとしたり、壊そうとしたり、もがいているわけじゃないですか。だから私としては新しい切り口とはあまり思っていなくて、みんなのことを動物に置き換えて描いているだけなんですよね。

引用元:ナタリー

 

BEASTARSはこんな人におすすめ

って感じで、とりあえず1巻2巻を読んだのですが、面白かったです。

「BEASTARS」はこんな人にオススメです

  • 学園ミステリーものが好きな人
  • ケモノ系の話が好きな人
  • 些細な心理描写を汲み取れる人

 

すみません、私の場合は最初にななめ読みして、面白さに気づかず読むのをやめていました。

  • 「ケモノ」がキャラクターという点に少々抵抗があった
  • 少年漫画だと思ったら繊細なタッチで少女漫画風の話だった

という点が、原因だったかなーと。

ケモナー系のフェチ漫画だと勝手に先入観を持っていたのがまずかった。

 

ただ、真面目に読むとめちゃくちゃ面白い、というか、唯一無二な感じで必見です。

予想以上に面白かったので、最後まで読みます。

すげぇ作品がでてきたもんです。

 

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