あるアルパカの知恵

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「近未来予測2025」の感想。現代人なら未来の6つの課題を一度は考えるべき

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「フューチャーアジェンダ」と呼ばれる、世界最大規模の「未来予想プログラム」があります。簡単に言うと、世界中のスゴい専門家が集まって、未来について予測する取り組みです。

そんな未来予測の2025年までの話が「〔データブック〕近未来予測2025」という本に載っていました。

これがかなり面白かったので、まとめました。 

未来に対する12の共通認識

まず世界中のスゴい科学者たちの「これは当たり前だよね」という未来に対する12の共通認識があります。

  1. 人工が爆発的に増加する
  2. 資源が枯渇する
  3. 環境汚染に歯止めが効かなくなる
  4. 移民は悪である
  5. 仕事が不足する
  6. 女性の教育水準の向上が多くの問題を解決する
  7. 技術が大きな問題を解決する
  8. 答えは太陽光エネルギーの中にある
  9. 定年について考え直す必要がある
  10. 医療費は増加の一途をたどる
  11. アジアの世紀が始まる
  12. GDP成長率は、社会の発展を評価する最良の尺度である

 

「そりゃそうだ」と思えるものも多いです。

ただ、科学者たちが重要な課題として厳選したものなので、将来について考える時の「大前提」として使えそう。

 

6つの課題

本書では様々な課題について、今後どのように取り組むかを、6つのテーマに分けて語っています。

  1. 「未来の人」
  2. 「未来の場所」
  3. 「未来の覇権」
  4. 「未来の信念」
  5. 「未来の行動」
  6. 「未来の企業」

 

課題1「未来の人」

未来の人(人口)はどうなるのか、という話です。キーワードは以下の通り。

  • 不均衡な人口増加
  • 縮小するミドルクラス
  • エイジレスな社会
  • 長く働く
  • 増加する若者の失業率
  • 手の届く医療
  • 地域移住
  • 女性の選択ジレンマ

 

個人的に興味深かったトピックをまとめました。

  • 2015年の平均寿命は、低所得の国で46歳、高所得の国で79歳で、全体的に見ると約70歳
  • 平均寿命は毎年6ヶ月ずつ伸びている
  • ミドルクラス(法律、会計部門の事務や管理)の仕事はAIに取って代わる可能性が高い
  • ギグ・エコノミー(オンデマンド経済)が急成長している
  • インドでは、労働人口の25%がフリーランス。
  • 2030年には、1億6000万人のアメリカの労働人口の約半数がフリーランスか独立業務請負人になる見込み。
  • 2050年には地球上の3人に1人が50歳以上になる
  • 若者の失業は世界中で蔓延。世界全体で約7500万人の若者が職を探している。若者の失業率は、アメリカ・イギリスでは約23%。スペインとギリシャでは50%。

 

一番興味深かったのはフリーランスの話です。インドでは4分の1が既にフリーランス的な仕事をしているし、アメリカは約半数がフリーランスや起業する、と。

この話は、2002年にダニエル・ピンクの「フリーエージェント社会の到来」という本でも言われていましたね。大学生の頃に読んだ時は実感なかったですが、働いた今なら「フリーランス」的な働き方が主流になるかもなーと肌で感じます。

ちきりんさんが推薦してる本でもあります。

フリーエージェント社会の到来 新装版---組織に雇われない新しい働き方

フリーエージェント社会の到来 新装版---組織に雇われない新しい働き方

 

 

あとは、最近ベストセラーになった「未来の年表」という本を読んでいたので、世界では人がたくさん生まれて若者比率が多い国が増えるけど、日本は平均年齢も高くなり、経済的に衰退していくんだなーと深く感じました。

※余談ですが、未来の年表はサクッと読める割にかなり面白い本です。独身男性の私は、「2020年には女性の半数が50歳以上になる」というデータに一番衝撃を受けました。

未来の年表 人口減少日本でこれから起きること (講談社現代新書)

未来の年表 人口減少日本でこれから起きること (講談社現代新書)

 

 

課題2「未来の場所」

先進諸国の暮らしについての話です。キーワードは以下の通り。

  • 住処を奪われる人々
  • インフラ不足
  • フレキシブルなインフラ
  • 利用しやすい交通輸送システム
  • 自動運転者
  • 大気汚染
  • 水没する年
  • 基本的な公衆衛生
  • 生態文明
  • 都市間の競争と労働
  • オフグリッド

 

国ごとに、生活の環境は大きく異なることを実感できるチャプターでした。

例えば、大気汚染の話は衝撃的な数値です。

  • インドでは毎年、大気汚染が原因とみられる病気で約62万人が命を落とす
  • 中国では、大気汚染が原因で亡くなる住民の数が1日4000人にものぼる。中国各地の都市の平均寿命は、大気汚染のせいで国全体の平均寿命より5年も短い。

 

日本でいえば、名古屋・大阪は洪水の危険性があります。

水害は住宅、貧困、エネルギー、社会の崩壊などの問題を引き起こします。

 

あとは、歪な世界の発展を数字でまざまざと見せつけられた気がしました。

  • 世界人口の9割が携帯電話の県内に住み、2015年の時点で、30億人がインターネットに接続している
  • 一方で、世界の約1億3000万世帯にトイレがない。

 

課題3「未来の覇権」

どんな国が台頭し、覇権を握るのか、という話です。キーワードは以下。

  • 権力と影響力の移動
  • 中国崇拝
  • アフリカの経済成長
  • 中央政府の影響力の低下
  • すべてがつながった世界
  • 個人データ保護
  • 通商を促進する国際規格
  • オープン・サプライウェブ
  • エネルギー貯蔵

今のアメリカ覇権がどうなるのか?中国は今後どうなるのか?みたいな話が中心でした。

※個人的にはあまり興味がない分野でしたのでメモは無し

 

課題4「未来の信念」

信念についての話。具体的には資本主義や宗教についてです。キーワードは以下。

  • 試される資本主義
  • 自然資本
  • 全費用
  • 人と人との触れ合い
  • 変わるプライバシーの性質
  • 真実と幻想
  • 倫理的な機械
  • 信仰を守る

 

今は世界の約3割がキリスト教、2割がイスラム教です。

しかし遠くない将来イスラム教の割合は、キリスト教徒の数と並ぶ約3割になる見込みだそうです。

 

その結果、当たり前と思っている前提を、考え直す必要が生じます。

 

例えば、自動運転車の実用化に関しては、「飛び出してきた人を守るため、運転手が見を危険に晒すべきか」というする倫理的な課題があります。

「難しい問題だし、答えなんて無いんじゃないかと個人的には思います。

 

しかし、イスラム教の国のある高官は「避ける必要はない」と断言します。以下、引用です。

私達がアブダビで政府高官と話していた時に、未来の自動運転車の話になった。

私達が技術と倫理的な問題について説明していたところ、高官はみな、ぽかんとした顔をしたのである。

「なぜルートを逸れるのですか?」と彼らは尋ねる。

「そのまま運転すればいいことです」。

そこで、私達が世界のどこの国や地域でも、これを重大な問題と考えていると伝えると、戻ってきたのは「ここでは、重大ではありませんね。インシャ・アッラー(アッラーがお望みなら)」という答えだった。

「もし道路に子供がいたのなら、それが神のご意思であるため、車のほうで避けて”運転者自身”を犠牲にする必要はありません。誰かが溺れているのを見つけた場合も同じです。あなた自身を危険にさらすのなら、その相手を助けることはないのです」。

自分たちの価値観だけで未来を見てはいけないのだ。私達の考える善悪の観念は、他の文化でまったく異なる。

象徴的な話ですね。

 

課題5「未来の行動」

未来の行動では以下のようなキーワードがありました。

  • 逼迫する重要資源
  • 食料廃棄
  • 年の肥満傾向
  • プラスチックの海
  • データ所有権
  • 電子マネー
  • 教育改革
  • 大衆の積極的関与(マス・エンゲージメント)
  • 取り残された者へのケア

 

食料廃棄の問題が個人的には気になりました。以下、引用。

世界で生産される食料の4分の1が、食べられることもなく廃棄されてしまうのだ。

一方で、こんなデータもあります。

現代のアメリカ人の体重は、1960年よりも11キロ増えている

世界は歪に拡大しています。

 

課題6「未来の企業」

未来の企業、そして働き方についての話です。以下、キーワード。

  • 目的を持った起業
  • 目まぐるしい拡大
  • データの価値
  • 動的価格設定(ダイナミック・プライジング)
  • 組織3.0
  • クリエイティブエコノミー
  • 深化する協働(コラボレーション)
  • 真のシェアリングエコノミー
  • ラストマイル・デリバリー
  • 時々ノマド

 

アラサー転勤族の私には印象に残った話がたくさんありました。

  • 企業にとってデータは新たな原材料で、資本財や労働力にも劣らない経済的な資源である
  • 正規の従業員にとって、職場のルールを揺さぶっているのがミレニアル世代。上の世代の働く意欲を掻き立てた、安定した雇用などの要因に若い彼らは魅力を感じない。ミレニアル世代が重視するのは、経済的な成功ではなくワークライフバランスや目的意識である。
  • 人は40年間も働き続けたくない。そのあとに定年退職したくはありません。自分の目標を追うのにそんなに待ちたくはない
  • 創造性は知識型経済を支える重要な要素である。
  • 世界銀行によれば、母国を離れて暮らす人は2億5000万人に及び、国内で移動した人口も含めると、地球上の7人に1人が移住者である

 

まとめ

とにかく豊富な実例と、面白いデータが沢山でした。

そういや本のタイトルも「データブック」でしたね。

未来予測本はたくさんありますけど、カタログ的に「データをパラパラ眺める」だけでも十分楽しめる本は珍しいです。

興味があればどうぞ~