【動画配信サービス】VODビジネスモデルの仕組み、市場の見通し【分析】

【動画配信サービス】VODビジネスモデルの仕組み、市場の見通し【分析】

VODを知りたい人

動画配信サービス(VOD)が人気だ。

どんなビジネスモデルと仕組みになっているんだろう?

無料体験は今後も続くのかな?見通しを知りたい

上記の疑問に、VODオタクで、サラリーマンとしてコンサルも少しやっていた私がゆるく答えます。

パカログ

動画配信サービス(VOD)について知りたい方は是非読んでみてください。
ややビジネスっぽい話です

動画配信サービス(VOD)のビジネスモデルと仕組み

動画配信サービス(VOD)のビジネスモデルは以下の4つに分類されます。

  1. SVOD 月額固定費のサービス
  2. AVOD 無料だけど広告つき
  3. TVDO ネットで動画をレンタルする
  4. EST ネットで動画を買う

VODと言えば、HuluやNetflixのような毎月固定費で動画が見れるサービスを想像するはず。

しかし、そのビジネスモデルは4つある中の、1形態に過ぎません。

パカログ

それぞれ簡単に解説していきます

 

動画配信サービスのビジネスモデル:SVOD(定額制動画配信)

SVOD(エス・ヴイ・オー・ディー)とは「Subscription Video On Demand(サブスクリプション・ビデオ・オン・デマンド)」の略。

月額料金を払えば、動画配信サービスが提供する何千本の動画が見放題です。

 

視聴者からお金をもらいつつ、コンテンツホルダー(動画の権利を持っている会社)にお金を払う構造ですね。

代表的なサービスは以下の通り

  • NETFLIX
  • Hulu
  • dTV

パカログ

VODのイメージと言えば、コレですね。

 

動画配信サービスのビジネスモデル:AVOD(広告運営動画配信)

AVOD(エー・ヴイ・オー・ディー)とは「Advertising Video On Demand(アドバタイジング・ビデオ・オン・デマンド)」の略。

広告掲載費で成り立っている業種ですね。

 

ユーザは動画を無料で見られますが、その代わり動画の前後・途中で広告を見る必要があります。

代表的なサービスは以下の通り

  • Youtube
  • ニコニコ動画
  • AbemaTV

パカログ

テレビをイメージすると分かりやすいです。スポンサーからCM代をもらってますよね。視聴者は無料で見られますが、番組内にはCMが挟まれます

 

動画配信サービスのビジネスモデル:TVDO(都度課金型動画配信)

TVOD(ティー・ヴイ・オー・ディー)とは「Transactional Video On Demand(トランザクショナル・ビデオ・オン・デマンド)」の略。

動画(映画なら1作品、ドラマ1話)を「1週間だけレンタルして見られる」ようなビジネスモデル。

 

TSUTAYAやGEOなどのレンタルサービスがネット上に置き換わっただけとも言えます。

代表的なサービスは以下の通り

  • Amazonプライムビデオ
  • U-NEXT

パカログ

一度だけお試しで安く見てみたい…という欲求に答えるサービス。所有欲求のないユーザ向け

 

動画配信サービスのビジネスモデル:EST(ダウンロード動画販売)

EST(イー・エス・ティー)とは「Electric Sell-Through(エレクトリック・セル・スルー)」の略。

動画(映画なら1作品、ドラマ1話)を買い切るイメージです。

 

先程の「レンタル」型のTVDOと違って「ずっと見ることが出来る」ものをESTといいます。その分こちらの方が高いです。

代表的なサービスは以下の通り

  • Amazonプライムビデオ
  • U-NEXT

パカログ

先述のSVOD型のサービスと併用する企業が多いです(動画が定額で見放題+一部有料って感じ

 

VODサービスの形態と用語の整理【まとめ】

もう一つ知っておいたほうが良い単語がPPV

作品ごとに課金するシステムのことを指します。

※PPV(ピー・ピー・ヴイ)は「Pay Per View(ペイ・パー・ビュー)」の略

パカログ

TVDOとESTはどちらも、PPVに含まれますよ!

 

改めてまとめると以下の通り↓

  • SVOD 毎月定額性のサービス
  • AVOD 無料だけど広告つき
  • PPV 作品ごとに課金する
    • TVDO ネットでレンタル
    • EST ネットで動画を買い切り

 

動画配信サービス市場の規模について

動画コンテンツ配信サービスの市場規模(世界)

動画コンテンツ配信サービスの市場規模(世界)については以下の資料が参考になります。

まずは2018年時点での世界の契約数について

動画配信サービスの世界市場の契約数

引用元:IHS Markit

インターネットで配信される動画配信サービスは「OTT(Over The Top、オーバー・ザ・トップ)」とも呼ばれます。緑色のグラフの方です。

抽出すると以下の通り。

  • Netflix:会員数1億4000万人
  • Tencent Video:7400万人
  • Baidu:6800万人
  • Amazon:5600万人
  • Youku Tudou:4000万人
  • Hulu:2300万人

半分がアメリカ企業(ネットフリックスやアマゾン)で、残りは全て中国の企業です。

 

動画コンテンツ配信サービスの市場規模(アジア)

人口の多い中国が最重要マーケットですね。

とはいえ、日本もブロードキャストの普及率の高さなどから、アジアの中では重要な場所です。

 

面白いデータは以下のもの。

日本が他の国に比べて、まだまだVODを使っていないことが分かります。

日本はVOD視聴が少ない (1)

引用元:THE ASIA VIDEO INDUSTRY REPORT

 

動画コンテンツ配信サービスの市場規模(日本)

GEM Partners株式会社の調査によると、日本の定額制動画配信サービスの2018年時点での市場規模は、約1680億円らしいです。

詳しくはレポートをどうぞ。

 

動画配信サービス(VOD)市場に関する雑感

いくつか、個人的に面白いと思ったネタをまとめました。

 

映像コンテンツのパッケージ販売の終焉

アメリカのビデオ屋は、動画配信サービスの登場とともにその時代を終えました。

日本でも同様に、TSUTAYAやGEOに映画を借りに行く人が激減しています。

パカログ

テクノロジーが市場を破壊していく分かりやすい一例ですね

 

視聴者の映像コンテンツへの意識を変えた動画配信サービス

動画配信サービス登場前は、動画(映画、アニメ)を見る視聴者の多くは

  • TVの決められた時間の放送を見ていた
  • お金を払って映画館に行って見ていた
  • 作品公開後、しばらくしてから発売されるDVD/Blu-rayを購入やレンタルしていた

という感じ。

「選択肢の少なさ」と「選択する時に必ずコストがかかる」というのが特徴です

 

定額制の動画配信サービス登場後は、視聴者の意識は以下のように変わりました↓

  • 作品は無数にあるので、一番面白そうなものから選ぶ(キャッチーさが重要)
  • 何作見ても金額は一緒なので、つまらなかったら途中で辞める
  • お金を払った感覚がないので「(金額分だけ)作品を面白い」と錯覚することがない

って感じで、無限にザッピング出来る環境でして、一作品にかける期待が変化。

 

動画配信サービス(VOD)のこれからの見通し

各社の差別化はどこで行うのか?

各社の差別化はどこで行うのか?

現状行われていることは以下の通り

  1. 扱う動画の量や種類を増やす
  2. 価格を下げる
  3. 付加価値(漫画が読める)などを付ける
  4. 画質を上げる
  5. 視聴方法(対応デバイス)、1アカウントで見れる人数を増やす
  6. 独占配信作品を増やす(オリジナル作品含む)
  7. 莫大な視聴データを元に、リコメンド機能精度を高める
  8. 家電会社と協力し、テレビのリモコンという一等地を手に入れる
  9. ユーザに使いやすいUIの追求

など。

 

NETFLIXのマネタイズ戦略(リモコンを攻める)

個人的に好きなのは、NETFLIXのマネタイズ戦略の話。

マネタイズ戦略という本にまとまっていますが、

  • ネットフリックスはオリジナルコンテンツが多い
  • テレビでの視聴を想定していた
  • 2015年に新発売した250万台のテレビのリモコンに「ネトフリックスボタン」を付けてもらった
  • わずか2500万円の費用しかかからなかった

という話。

この戦略、頭良すぎてヤバイ。

「作品の種類を増やそう!」みたいな誰でも思いつくことではない方法が最強ということですね。

 

他にも色々面白いねたがあるので、後ほど追記します。

コメントはお気軽にどうぞ!