あるアルパカの知恵

アラサー男の趣味ブログ。楽しい話と、役立つ話を提供します。

成長するとは、生産性が上がること

「成長するとは、生産性が上がること」

そんなコピーにつられて、世界一のコンサルティング会社マッキンゼーで17年間勤めた著者の本を読みました。

生産性―――マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの

生産性―――マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの

 

 

こんな考えの方に役に立つ一冊です

  • 上司が帰れないと自分も帰れないのが嫌だ
  • 一言も発言しないままメモを取る会議には参加したくない
  • 意思決定を引き伸ばす議論にうんざり

生産性の定義とは

そもそも生産性の定義はなんでしょうか?

簡単に言うと

生産性 = 得られた成果 ÷ 投入した資源

です。

アウトプット÷インプットとも言えます。

 

生産性を高めるには、分母を減らす(投入資源削減)と、分子を増やす(成果を上げる)の2択の方法があります。

日本の企業でよくやられるのが「コスト削減」です。これは典型的な「投入資源を減らそう」という試みです。

一方で「成果を上げる」試みは多種多様です。あえて一番単純な例を上げるとすると、製品の価格を上げることですね。

 

生産性を上げる2種類のアプローチ

著者はここでもう一つ別の軸を導入します。生産性を上げるアプローチは2種類あるというのです。

  1. 改善によるもの(インプルーブメント)
  2. 革新によるもの(イノベーション)

 

結果、生産性を上げる方法は以下の4つになるのです。

  1. 改善による投入資源削減
  2. 革新による投入資源削減
  3. 改善による付加価値額の増加
  4. 革新による付加価値額の増加

 

この観点に気づけただけで、本書を買う価値はありました。

例えば、

  • 就職する場合は、就職先はどの分野の仕事をしようとしているのか
  • 自分でビジネスする時には、どの領域で戦おうとしているのか

という判断なんかに使えます。

「革新による生産性向上」というのを私を含めた多くの人は見落としがちです。

そんな思考の盲点を消すのに役に立つパラダイムだと思います。

 

生産性にまつわる誤解

生産性が大事とは言うけど、その結果失われるものもあるんじゃあ???という考えは「誤解である」と著者は言います。

よくある誤解の例は以下の通り

  • 生産性を上げるとクリエイティビティが失われる
  • 非効率の中にイノベーションのヒントがある
  • 生産性の高い組織はギスギスしている

 

例えば、「イノベーションと生産性は両立しない」というのは明らかにおかしな考えです。

Time for Inovation(イノベーションを生み出すための時間)は必須です。

そして、その時間を捻出するためには、定型的な仕事を辞めて時間を作る必要があります。これは、無駄な仕事をやめる=改善による投入資源の削減によって成立します。

そのような流れを無視して、ごっちゃにして考えると、議論が成立しなくなります。

 

ちなみに、イノベーションにはリスクがつきもの、という話が面白かったです。

例えば、現在から「売上を10倍にする」と考えた途端、既存業務の改善では明らかに成立しなくなります。

そうなって人は初めて、「何かを根本的に変えない限り、そんな高い生産性は実現できない」という発想に切り替わります。そしてそれは前例を踏襲しないのが常です。確実にリスクを伴います。

 

生産性を意識するとどうなるか

「高い生産性」を意識した途端、以下のような行動形式になります

  • 優先順位を明確にする
  • 常に結論を先に表明する直截なコミュニケーション
  • 既成概念を配してゼロベースで考える
  • 大きなリターンがあるならリスクを避けない

 

生産性向上には、無駄な作業を減らすだけじゃなく、「革新(イノベーション)による成果向上」という方向性もあるんだと気付いた途端、すんなり受け入れられるのではないでしょうか?

 

成長するとは、生産性が上がること

成長の定義を「生産性の向上」という風に捉えると、働き方も変わると思います。

単純に「成果」だけを求めると、無限に働きブラックな労働状況になりえます。

一方で「時短(投資資源削減)」だけを求めると、労働時間は減って成果はそんなに変わらないので、生産性は高くなりますが、大きなイノベーションは起こせません。

 

しかし「生産性の向上」を求めると、その成果と投資資源の両輪に意識が行くため、「時間を減らしつつ、成果を出すにはどうすれば良いのか」という到底無理そうな視点から物事を考えるようになります。

この制約、制限こそがイノベーションを産み、本当の成長につながるのです。

 

面白かったネタまとめ

私の場合は、最初の40Pの「生産性を高めるアプローチとしての革新(イノベーション)」という観点に気づけただけで大満足な一冊でした。

ただ、それ以外にも面白いネタは多数ありました。

  • インテルは「インテル入ってる」のCMでインテルのCPUさえあれば、高価なPCじゃなくても充分という印象を消費者に与えた。その結果、台湾製のパソコンが売れ始めて、大手のPCメーカー(IBM、NECなど)はパソコン事業から撤退した
  • マッキンゼー流の資料の作り方:ゴールを決めて作る。ブランク資料を作る(目次、中見出しを作る)
  • マッキンゼー流の会議の進め方:会議時間の短縮ではなく、会議の成果を高める(達成目標を決める)

 

仕事について悩む方、より大きな成果を上げたい方、もっと自分の時間が欲しい方、是非読んでみてください。

生産性―――マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの

生産性―――マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの